私が愛した極悪キャラクターたち

その12 高見沢みちる

高見沢みちる

(伊藤かずえ版高見沢みちる)

ジェネラルシャドウ
(佐伯日菜子版高見沢みちる)

 
「ねらわれた学園」

映像化リスト

1977年
「未来からの挑戦」
(テレビ放送・NHK・全20話)

1981年
「ねらわれた学園」
(劇場映画・角川春樹事務所)

1982年
「ねらわれた学園」
(テレビ放送・フジTV系・全11話)

1987年
月曜ドラマランド
 ねらわれた学園」

(テレビ放送・フジTV系・単発ドラマ)

1997年
「ねらわれた学園
 THE MESSIAH FROM THE FUTURE
(劇場映画・円谷映像&ギャガ)

1997年
「ねらわれた学園」
(テレビ放送・テレビ東京系・全9話)

 最近のマンガやドラマでは、学生主人公の仇役として、美人の生徒会長が出てくるのは、さほど珍しい展開ではありません。しかし、こうした美少女生徒会長キャラの原点を探ってみますと、それは、どうも、眉村卓原作のSF小説「ねらわれた学園」の高見沢みちるらしいのであります。
 「ねらわれた学園」は、時代を問わず、何度も映像化されておりますので、最近の小説のように誤解している人も多いかもしれませんが、実際には、少なくても30年以上も前(2006年現在)に書かれた作品みたいです。当時はまだまだ日本では男性が主導権を握っていた時代であり、外国からウーマンリブの風潮も流れ込みかけてはいましたが、それでも、女生徒が生徒会長の座につくなどと言うのは、かなり特異な事態だったのです。もちろん、その「特異さ」こそが、「ねらわれた学園」のストーリーの狙いだったのであり、高見沢みちるが先輩男子生徒を押しのけて、生徒会長になれたのは、彼女が超能力者で、男をもはるかに凌ぐ超人パワーを持っていたからだ、と物語が続いてゆく次第です。
 ほんとは、眉村卓の書いた少年向けSF小説(ジュブナイル)群に出てくる超人少女たちには、高見沢みちるよりも魅力的な美少女が沢山いて、私も本音ではそちらの方が好みなのですが(苦笑)、困った事に、映像化された「ねらわれた学園」の高見沢みちる役は、なぜか、私のお気に入りの女優さんが担当しているケースが多いのであります。私が伊藤かずえさんのファンになるのを決定づけたのは、「不良少女とよばれて」(「私の愛した極悪キャラクターたち その1」を参照)のみならず、テレビドラマ版「ねらわれた学園」でも彼女がクールな敵役(高見沢みちる)を演じていたのを知ったからでしたし、佐伯日菜子さんはオカルトドラマ「エコエコアザラク」などを見てから好きになった女優さんなのですが、彼女も、「エコエコアザラク」の黒井ミサ役以前に、その前身とも言える高見沢みちるをギャガ映画版で演じていました。角川映画版の高見沢みちるを担当した長谷川真砂美さんも、けっこう好きなタイプだったりします。
 初期の高見沢みちる像には、どうも、固定イメージができてしまっていたらしく、「未来からの挑戦」の阪本真澄さん以降、月曜ドラマランド版の「ねらわれた学園」(高見沢みちる役は、恐らく、藤代美奈子さん)に至るまで、長髪で、前髪を垂らさず、額を出した髪形に統一されています。佐伯日菜子さんの高見沢みちるもその変形ですが、現時点で最後の高見沢みちるである場渕英里何さんだけは、そうした過去の伝統にとらわれない彼女独自の高見沢みちるにアレンジされており、一連の「ねらわれた学園」を見続けた愛好者には「えええ?これが高見沢みちる?」と思わせるキャラに仕上がっています。
 本来、「ねらわれた学園」で超能力を使える美少女は高見沢みちるだけでした。しかし、大林宣彦監督が角川映画で映像化するにあたり、主人公側のヒロインにも超能力の才能を与えてしまい、その結果、以降は、「ねらわれた学園」とは、ヒロイン対高見沢みちるの超能力バトルものというように解釈されるようになってしまいました。大林宣彦監督の映画では、三田村由香と言う映画用オリジナルキャラだった超能力者ヒロインも、以後の「ねらわれた学園」では、原作にも出てくる女生徒キャラ、楠本和美に置き換えられる事となり、本来、原作小説では脇役だった彼女が、主役の超能力少女として、高見沢みちると戦うようになります。ギャガ映画版の「ねらわれた学園」では、とうとう、ヒロイン側の超能力という設定だけが残り、高見沢みちるの方はエスパーではなく対エスパー用アンドロイドだという逆転構図にまで発展します。
 何かとアレンジしがいのある「ねらわれた学園」の訳なのですが、私も、ぜひ一度はドラマ脚色に挑戦してみたいと思っている作品なのであります。

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